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ふるさと納税と医療費控除を一度に申告!その方法と注意点を解説

基本的に確定申告が必要なのが「ふるさと納税」と「医療費控除」の共通点です。単純に考えれば、一度の手間で済む分まとめて申告した方が効率的という意見もありますが、実際に手続きを行う前には注意点についても把握しておくべきでしょう。

そこで今回は、ふるさと納税と医療費控除の申告を一度にまとめるべきか個別に行うべきかを判断するうえで、役に立つ注意点についてご説明します。

会社員で確定申告が必要となるケース

基本的に、ほとんどの会社員は所得税を正確に計算するために必要な確定申告を個人で行う必要はありません。なぜなら、会社員の所得税は金額の確定から納税までを雇用主が行う年末調整によって完了するからです。

本来であれば従業員が税務署に支払うべき所得税を会社が代行して月々の給料から源泉徴収という形で差し引き、誤差が生じないように年末調整で帳尻を合わせて正確な金額を計算しています。

ただし、「年末調整では差し引けない所得控除がある」もしくは「義務が生じるケース」のどちらかに当てはまる場合は、たとえ会社員であっても個人で確定申告を行う必要があるので注意が必要です。

企業が行う年末調整では、非課税手当を除く総支給額から社会保険料や配偶者控除などの所得控除を差し引いた課税所得額に対して、5~45%の税率を課す超過累進課税方式で所得税を算出しています。つまり、所得税控除が多いほど支払う所得税が少なくて済む仕組みになっているのです。

ところが、同じ所得控除でも「ふるさと納税を含めた寄付金控除」をはじめ「医療費控除」や「初年度の住宅ローン控除」、「特定支出控除」や「雑損控除」の5種類は最初から年末調整の対象外ですから、個人で行う確定申告で申告しなければ控除されません。そのため、年末調整の対象外にあたる所得控除がある場合は会社から発行された源泉徴収票を元に個人で確定申告を行う必要があるのです。

一方、確定申告の義務が生じるケースのポイントとなるのが「給与の総額」や「働き方の形態」です。例えば、会社は2,000万円を超える年間給与を受け取っている従業員に対して年末調整を行えませんので、義務が生じるケースに当てはまります。

また、2カ所以上の企業から給与を受け取っているダブルワークの場合も注意が必要です。たとえ本業の会社で年末調整が行われていたとしても、もう一方の収入が20万円を超えている場合は一定条件を満たしている人を除いて確定申告を行わなければなりません。

医療費控除の対象とは?

確定申告で所得税や住民税の負担が軽減される所得控除はいくつかありますが、医療費控除もその一つです。とはいえ、一口に医療費と言っても範囲が広いため全てが医療費控除の対象になるという訳ではありません。ここでは、「歯科医への支払い」「歯科医以外の医療機関への支払い」「入院費」「交通費」の4つのカテゴリーに分けてご説明しましょう。

歯科医への支払いで医療費控除の対象となるのは、虫歯の治療費をはじめ金やポーセレンといった一般的に使用されている治療材料などが代表的です。これに対して、歯石除去の費用や特殊な治療にかかった保険外の自由診療費は原則的に認められません。治療目的の費用は認められるが、審美目的の費用は認められないと覚えておきましょう。

一方、年齢や必要性によって異なるのが歯列矯正の費用です。発育段階の子供に対してこのままでは成長の妨げになる、もしくは大人に対して治療の必要性があると医師が判断した場合は医療費控除の対象に含まれます。ただし、あくまで美容目的で大人が行った歯列矯正の費用は医療費控除として認められません。

歯科医以外の医療機関への支払いで医療費控除の対象となるのは、大前提として治療もしくは療養目的で発生した費用に限られています。そのため、美容整形の費用はもちろん一般的なメガネやコンタクトレンズを購入するためにかかった眼科受診料などは認められません。あん摩マッサージ指圧師や柔道整復師などの施術費用についても、治療目的であれば対象に含まれますが疲労回復や体調管理などが目的であれば認められないのです。

一方、目的が治療や療養であれば医師へ支払う診療費や治療費、看護師や保健師への費用などは医療費控除に含まれます。海外旅行先で支払った医療費をはじめ医師の元で受けるAGA治療やED治療薬も対象ですから、領収書を失くさないように保管しておきましょう。

また、医薬品代と人間ドックの費用は治療目的か予防目的かによって異なります。医師が治療に必要だと判断した医薬品代については認められますが、病気の予防や健康増進のために購入したサプリ系や漢方薬は含まれません。同じく、通常は医療費控除として認められない人間ドックの費用も異常所見が見つかった場合に限り、引き続き治療が必要だと見なされて対象に含まれます。

治療や療養目的で入院した時の診察代や検査代はもちろん出産の分娩費用も医療費控除に含まれますが、入院費の中には判断しにくい項目も少なくありません。病院で出された「食事代」は医療費控除の対象ですが、デリバリーや院内食堂を含む外食に関する費用は対象外です。一方、入院中に使う「日用品」の中で治療のために医師の指示で購入した水枕やコルセットなどは認められます。

ですが、たとえ病院の指定であってもパジャマや洗面用具などは認められません。付添人を頼んだときの「付添料」は基本的に認められるものの、支払いの対象が家族の場合は対象外です。

ちなみに、入院か在宅かに関わらず「おむつ代」を医療費控除として認めてもらうには、医師が発行したおむつ使用証明書を持っている・6カ月以上寝たきり・継続した治療の3つの条件を全て満たしている必要があります。

その他、医師や看護師に対する謝礼金はもちろん散髪代や生命保険金の請求に必要な診断書の文書料、本人または家族の都合だけで個室に変更した時の差額ベッド代も医療費控除として認められません。

通院や入院にかかった交通費の中で医療費控除の対象となるのは、公共交通機関の運賃もしくは電車やバスでの移動が困難だと医師が判断した場合のタクシー代です。本人だけでなく付き添い人の分も対象に含まれますので忘れずに申告しましょう。その反面、自家用車のガソリン代をはじめレンタカー代や駐車場代などは認められません。

医療費控除の条件とは?

医療費控除の対象者は還付申告によって還付金を受け取ることができますが、病院へ通っているからと言って誰もが医療費控除の対象になるとは限りません。ポイントは、1月1日から12月31日までの1年間で支払った医療費の総額と合算条件を満たしているかどうかです。

医療費の総額については3パターンに分かれており、1年間で10万円以上の医療費を支払った人や医療費が所得金額の5%を超えている人、さらには医療費が10万円以下でも所得金額が200万円未満であれば医療費控除の対象です。

注目すべきは、「生計を共にしている」という条件さえ満たしていれば配偶者や子供だけでなく孫や祖父母など、家族の医療費を本人分と合算して申告できるという点でしょう。生計を共にしている家族と聞くと同居している親族に限定されると思われがちですが、状況によっては別居中でも対象に含まれるケースがあります。

例えば、別居している祖父母の生活費を申告者が負担している場合や学費を送金している子供がいる場合は、生計を共にしている家族と見なされるため医療費を合算できるのです。その反面、たとえ同居していても医療費を合算できないケースがあります。それぞれの収入で生計を立てている場合は、同居している家族であっても生計を共にしているとは見なされないのです。

ふるさと納税と医療費控除を一度に申告する影響

ふるさと納税と医療費控除を一度に申告する人も少なくありません。ですが、経験者の中には時間の節約になったと満足している人もいれば、どちらか片方にすべきだったと少なからず後悔している人もいるようです。ここからは、2つの控除をまとめて申告した場合のメリットとデメリットについてご説明しましょう。

1.ふるさと納税のワンストップ特例制度が利用できない

ふるさと納税が始まった当初は、それまで確定申告とは無縁だった会社員も控除を受けるために確定申告を行う必要がありました。そこで登場したのが、確定申告をしなくても寄附金控除が受けられる「ワンストップ特例制度」です。

2015年4月にスタートして以降その利便性の高さから多くの人が利用しているだけでなく、ふるさと納税の普及にも役立っていると評価している自治体も少なくありません。ふるさと納税を申し込んだ自治体から送られてきた寄附金税額控除に係る申告特例申請書に記入してマイナンバーを含む申請者の本人確認書類と一緒に返信するだけという手続きの簡単さも、利用者が多い理由でしょう。

1企業から2,000万円以下の給与を受け取っているサラリーマンを対象にした制度で、寄付した自治体が5カ所以内という条件はあるものの同じ自治体を複数回にわたって利用しても1カ所とカウントされるというメリットがあります。

ただし、医療費控除がある人はワンストップ特例制度が使えません。そもそも、ワンストップ特例制度の控除対象はふるさと納税だけに限定されています。一方、医療費控除は確定申告を行わなければ控除されません。

そのため、ふるさと納税と医療費控除を併用する場合は両方に対して確定申告が必要になります。特にワンストップ特例制度を申し込んでいる最中の人や完了している人は注意が必要です。申し込んでいる最中や完了後に医療費控除の確定申告を行うと、ふるさと納税に対する特例が無効になってしまいます。ワンストップ特例制度が使えるのは、もともと確定申告の必要がない人だけの特権と覚えておきましょう。

2.ふるさと納税の上限額が少なくなる

ふるさと納税の上限額が少なくなるのも、医療費控除を併用した場合の大きなデメリットと言えるでしょう。ふるさと納税は課税所得×税率で算出した所得税額および住民税所得額に対する控除ですから、課税所得が多いほど控除の上限が多くなる仕組みになっています。

ここで問題となるのが、所得-医療費控除を含む各種所得控除で算出される「課税所得」の金額です。つまり、医療費控除を受けた分だけ課税所得の金額が目減りしますので、結果的にふるさと納税で受けられる寄付金控除額の上限も少なくなってしまいます。

特に、上限額のギリギリまで寄付を行っている人は注意が必要です。医療費控除を受けたために上限が予定より少なくなり、年初に計算していた上限額をオーバーする人も少なくありません。

ふるさと納税と医療費控除に関する確定申告の手順

ここからは、すでに年末調整が完了している会社員が行う確定申告の手順について解説しましょう。ただし、確定申告の対象は今回のテーマである「ふるさと納税」と「医療費控除」に限定しています。

1.準備するもの

ふるさと納税と医療費控除の両方に共通する準備品は、勤務先から交付された「源泉徴収票」と本人名義の「通帳」、「身元確認書類」と「印鑑」などです。身元確認書類にはマイナンバーカードが推奨されています。一方、ふるさと納税だけに必要な準備品として寄附先の自治体から発行された「寄附金受領証明書」が必要です。

最後に医療費控除だけに必要な書類として、「医療費の明細書」と「保険金で補填されている金額が分かる書類」の2枚を用意しておきましょう。医療費の領収書については5年間の保管が推奨されているものの、2018年からは確定申告で提出する必要はなくなりました。また、医療費控除とセルフメディケーション税制の併用はできません。セルフメディケーション税制を選択した場合は、「申告時にセルフメディケーション税制の明細」が必要です。

1-2.確定申告の方法

確定申告の方法は、印刷した書類に記入する「手書き」またはパソコン上で入力する「確定申告書等作成コーナー」と「電子申告(e‐Tax)」の3種類から、好みに合わせて選択できるようになっています。手書きで確定申告を行う場合は、まず国税庁の公式HPから申告書をダウンロードしましょう。プリントアウトした申告書に必要事項を記載したうえで必要書類を添付し、税務署に直接持ち込むか郵送で提出します。

一方、手書きで記入するのが面倒な人や記入ミスによるやり直しを避けたい人は「確定申告書等作成コーナー」に挑戦してみましょう。国税庁の公式HPから確定申告書等作成コーナーを開き、画面の案内に従ってパソコン上で入力していくだけの手軽さが魅力です。

ただし、入力の手引書には注意が必要です。年末調整済みという点は今回のケースと一致していますが、ふるさと納税の寄附金控除だけを受ける人が対象になっているため、医療費控除の分がすっぽり抜けてしまいます。入力が終わったらプリントアウトした書類に必要書類を添付して、税務署に直接持ち込むか郵送で提出しましょう。

3種類の中で、唯一オンライン通信で提出できるのが「電子申告(e‐Tax)」の大きなメリットです。書類の作成から提出までを自宅で済ませられるので、混雑する税務署で長蛇の列に並ぶ必要がないのはもちろんポストに投函する手間もかかりません。確定申告書等作成コーナーと同様に、国税庁の公式HP上で確定申告書を作成してみましょう。

ただし、マイナンバーカードのデータを読み取るためには別途ICカードリーダライタという機器を用意しなければなりません。基本的に自費あつかいのため、一般的に普及するまではIDとパスワードで使える確定申告書等作成コーナーで作成しようと、計画している人も多いようです。

1-3.確定申告の期限

その年の1月1日~12月31日までの所得に対して確定申告を行う場合の提出期限は、原則として翌年の2月16日~3月15日までに限定されています。基本的に平日のみの受付ですが、地域によっては土・日・祝日に開庁している税務署もあるようです。

だからと言って、準備を後回しにするのはオススメできません。うっかり提出期限をオーバーしないように、早めに必要書類を揃えておきましょう。特に、ふるさと納税を含む寄附金控除や医療費控除などの還付申告に対しては受付開始日の2月15日より前でも受け付けてくれる税務署が多いので、混み始める前に済ませてしまうのも賢い方法です。

1-4.還付される時期

確定申告によってメリットが得られるのは「所得税」と「住民税」の2種類です。所得税の還付は申告時に指定した本人名義の口座に振り込まれますが、還付されるまでの期間は混雑状況に左右されるうえ提出方法によっても異なります。確定申告書を税務署に持参した人、もしくは郵送で提出した人の口座に還付金が振り込まれるのは提出日から1~2カ月後が一般的です。

これに対して、オンラインで提出するe‐Taxで手続きした人の場合は3週間程度がおおよその目安とされています。還付金が振り込まれるまでの期間が書面で提出するよりも短くて済むうえ、インターネット上で還付金の処理状況まで確認できるのが魅力です。還付金の支払予定日や金額などをチェックしたい人は、IDとパスワードを入力してe-Taxにログインしてみましょう。

一方、控除によって支払う税金が安くなるのが住民税の特徴です。還付される所得税に比べて実感が薄いという指摘もありますが、所得税のように混雑によって遅延する心配はありません。なぜなら、控除分が差し引かれるのは「翌年6月~翌々年5月」に納付する住民税が対象になっているからです。控除の総額を12分割したうえで、初月にあたる6月に割り切れなかった端数の調整が行われます。

医療費控除の計算方法

確定申告で医療費控除を受けた場合、どの程度の金額が実際に控除されて口座に入金されるのかを具体的に計算してみましょう。実際に計算してみることで、手間をかけてでも手続きを行うべきか見送るべきか見極めるヒントになります。

1.総所得金額を確認

医療費控除の金額を計算する時は、まず勤め先から発行された源泉徴収票に記載されている「給与所得控除後の金額」を確認してみましょう。給与所得控除後の金額とは「総所得金額」を指しており、200万円がボーダーラインになります。総所得金額が200万円未満の人と超えている人とでは計算式が全く異なるため、当然ながら結果にも大きな影響を与えてしまうのです。

2.医療費控除の計算式

ここでは、総所得金額が200万円を超えている場合と200万円未満の場合とでは計算式がどのように違うのか、詳しく比較してみましょう。総所得金額が200万円を超えている場合、医療費控除として「10万円」が認められています。10万円を超えた医療費分が還付申告する金額と言った方が分かりやすいかもしれません。具体的に言うと、1年間で実際に支払った医療費の合計額から保険金などで補填される金額を差し引き、さらに10万円を差し引いた結果が実際の医療費控除額になるのです。

一方、総所得金額が200万円未満の場合は医療費控除として「所得金額の5%」が認められています。つまり、実際に支払った医療費の合計額から保険金などで補填される金額を差し引き、さらに所得金額の5%を差し引いた結果が実際の医療費控除額になるのです。医療費控除の対象条件はいくつかありますが、なかでもポピュラーなのが「年間の医療費が10万円以上」という条件でしょう。ですが、具体的な計算式を見てみると実際にはたとえ年間の医療費が10万円未満であっても総所得金額が低ければ医療費控除の対象になるのです。

3.医療費控除の計算例

例題として実際に支払った年間医療費の合計額が20万円、保険金などで補填される金額として生命保険の入院給付金が5万円と仮定したケースを取り上げてみましょう。総所得金額が200万円以上であろうと未満であろうと実際に支払った年間医療費の合計額から保険金などで補填される金額を差し引くところまでは共通していますので、20万円-5万円で15万円という結果になります。ですが、問題はここからです。

給与所得控除後の総所得金額が300万円つまりボーダーラインの200万円を超えている場合は、15万円から認められている控除額10万円を差し引くと、控除される金額は5万円という結果になりました。これに対して、給与所得控除後の総所得金額が150万円つまり200万円未満の場合は、15万円から控除額として認められている所得金額の5%を差し引くと控除額が7.5万円という結果になるのです。年間の医療費が同額でも、総所得金額が200万円を超えると200万円未満の人より医療費控除が少なくなると覚えておきましょう。

ふるさと納税の計算方法

続いて、もう一つのテーマであるふるさと納税の控除額についても計算してみましょう。ここでは、ふるさと納税によって負担が軽減される「所得税」と「住民税」の2種類について詳しくご説明します。

1.所得税率を確認

「所得税率」は、ふるさと納税の申告でどの程度の控除が見込めるかを計算するために欠かせない値で、課税される所得金額が増えるにつれて高くなるように設定されているのが特徴です。平成26年分までの所得税率は5~40%までの6段階で区分されていましたが、平成27年分からは一部の例外を除き5~45%の7段階で区分されています。

まずは、源泉徴収票に記載されている「給与所得控除後の金額」と「所得控除の額の合計額」を確認してみましょう。総所得金額にあたる給与所得控除後の金額から所得控除の額の合計額を差し引くと、所得税率を求めるために必要な「課税される所得金額」の値が算出できるのです。

例題として給与所得控除後の金額が300万円、所得控除の額の合計額として95万円に医療費控除5万円を加えた100万円のケースを取り上げてみましょう。給与所得控除後の金額300万円から所得控除の額の合計額にあたる100万円を差し引くと、課税される所得金額が200万円という結果になりました。

続いて、国税庁の公式ホームページで公開されている「所得税の速算表」と照らし合わせてみると、課税される所得金額が200万円の場合は所得税率が10%だと一目で分かります。

2.所得税からの控除を計算する

ふるさと納税によって所得税から控除される金額を求める方法は、2段階のステップに分かれています。最初に「ふるさと納税額」から一律「2,000円」を差し引きましょう。ここで出た値に所得税率をかけるだけで、簡単に所得税から控除される金額が算出できるのです。

例えば、年間のふるさと納税額が3万円で所得税率が10%の場合は、3万円から2,000円を差し引いた28,000円に10%をかけた2,800円が所得税から控除される還付金額となります。また、国税庁の公式サイトによるとふるさと納税額にあたる「1年間で支払った特定寄附金の額の合計額」について、限度額は所得金額の40%相当だと明記されています。

3.住民税からの控除額を計算する

ふるさと納税による住民税からの控除は「基本分」と「特例分」の2種類で成立する仕組みになっており、それぞれが控除の対象になっています。住民税から控除される基本分がいくらになるのかを知りたい時は、最初に1年間で支払ったふるさと納税額から一律2,000円を差し引きましょう。あとは、出てきた答えに一律10%をかけるだけで算出できます。ただし、所得控除と同様に基本分にも一定の上限が設けられていますので注意が必要です。住民税の基本分控除に対する限度額は、総所得金額等の30%とされています。

一方、基本分に比べてやや複雑になっているのが特例分の計算方法です。最大の特徴は、住民税所得割額の20%を超えると減額される税額控除方式になっている点でしょう。住民税所得割額の20%未満であれば、住民税からの特例分控除=(ふるさと納税額-2,000円)×(100%-基本分10%-所得税の税率)という式で算出できます。これに対して住民税所得割額の20%を超えている場合は、住民税からの特別分控除=(住民税所得割額)×20%の式で算出されるのです。実質的に自己負担が増えてしまうケースが多いからこそ、多くの自治体が住民税所得割額の20%という値を特例分の限度額として公式サイトに明記しているのでしょう。

例題として、具体的な金額を当てはめながら計算してみましょう。年間のふるさと納税額が3万円、所得税の税率が10%と仮定した場合の基本分は(3万円-2,000円)×一律10%=2,800円と簡単に算出できます。続いて住民税所得割額20%未満の特例分を算出してみると、(3万円-2,000円)×(100%-基本分10%-所得税の税率10%)=22,400円という結果になりました。住民税から控除されるトータル金額は、基本分2,800円に特例分22,400円を加えた25,200円となります。

4.ふるさと納税分が控除されていることを確認

たとえ申告者側が正確に申告を済ませていたとしても、手続きの処理中にミスが発生しないとは限りません。ふるさと納税の普及率に伴い、確定申告で控除を受けようと申告している人も多いのです。だからこそ、ふるさと納税分が間違いなく控除されているか必ず確認しておきましょう。

例えば、1年間で支払ったふるさと納税の費用が3万円だった場合は2,000円の自己負担額と2,800円の所得税還付額、25,200円の住民税控除額という内訳になっています。この内、確認すべきなのは2,800円の所得税還付額と25,200円の住民税控除額だけで良いのです。

とはいえ、リアルな金額が口座に還付されるうえ1~2カ月ほどの待ち時間で済む所得税還付額なら一目で確認できますが、気づきにくくて確認を忘れがちなのが住民税控除額でしょう。そもそも、どうやって確認したら良いのか分からないという人も多いかもしれません。

そんな時は、「住民税(市町村税・都道府県税)の特別徴収税額の決定・変更通知書」で確認してみるのも有効な手段です。この書類は5~6月ごろに届くのが一般的ですが、就業形態によって送付先が異なります。普通徴収を行っていない会社員であれば勤め先の会社経由で渡されますが、副収入を得ている給与所得者やフリーランスなどは届け先が自宅になっているケースがほとんどです。

書類が手元に届いたら、まず全ての控除分の合算金額が記載されている「税額控除額」を確認しましょう。記載されている合算金額が予定の金額に達していれば、住民税控除額の全額が本来の金額から差し引かれて住民税が安くなっていると確認できます。

ですが、医療費控除や住宅ローン控除など住民税に影響する控除が複数ある場合は注意が必要です。摘要欄に詳細が記載されていれば内訳が確認できますが、なければ「市区町村の税額控除額」と「都道府県の税額控除額」の両方を確認してみましょう。住民税控除額の場合、市区町村と都道府県に分割されているケースが多いのです。

ただし、この書類の名称は全ての自治体で統一されている訳ではありません。多少異なるケースもあるため、自治体窓口で確認した方が良いでしょう。中には、住民税を計算するツールを窓口に設置している各自治体もあるようです。窓口が空いていれば、担当者の解説つきでシミュレーションが試せるかもしれません。

ふるさと納税と医療費控除があるときは忘れずに還付申告を行おう

ふるさと納税と医療費控除は、所得税と住民税の負担を軽減できる数少ない貴重な存在です。ですが、どちらも年末調整の対象外となっているため、会社員であろうと自営業者であろうと本人が還付申告を行わなければ請求される税金額は一向に減りません。

確かに、初めて個人で行う確定申告はハードルが高いと思われがちですが、そんな時は国税局ウェブサイトの確定申告書等作成コーナーを活用してみましょう。面倒な計算をしなくてもスムーズに申告書が作成できるうえ、幅広い年齢層に向けて使いやすいように工夫されているので初心者でも安心です。

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ふるさと納税を一生懸命勉強!