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住民税が安くなるというメリットも!ふるさと納税をお得に利用しよう

ふるさと納税は、返礼品が受け取れるだけでなく、翌年の所得税や住民税が安くなるという大きなメリットのある制度です。しかし、単にふるさと納税を行うだけでは、税金を安くすることはできません。確定申告を行うか、ワンストップ特例制度を利用する必要があります。ここでは、確定申告や特例制度の利用方法、注意点などについて説明していきます。

ふるさと納税とは

ふるさと納税は名称に「納税」とついているために誤解されがちですが、厳密には納税ではありません。「納税」という形で、任意の土地に「寄付」を行うための制度です。寄付した人にはさまざまなメリットがあります。また、「ふるさと」と謳っていますが、寄付できるのは生まれ故郷だけではありません。学生時代を過ごした土地や旅行で訪れて好きになった地域、好きな映画やアニメの舞台になった街など、応援したいと思う自治体を自由に選択して寄付できます。

もともと、ふるさと納税は「今は地元を離れて都会で暮らす人が、自分を育んでくれた故郷に貢献できる制度があっても良いのではないか」との考え方から始まったものです。議論の末、故郷だけでなくどこの自治体にも寄付できる今のような形に落ち着きました。寄付先を自由に選択できることで、寄付金の使いみちを考えるきっかけとなり、納税意識が高まる機会になることも期待されています。

ふるさと納税で寄付されたお金をどう使うかは、それぞれの自治体が決めています。景観や自然の保護に使うところもあれば、公共施設の充実を目指すところもありますし、国際交流に力を入れるところもあるでしょう。例を挙げると、北海道遠別町では魅力のある農学校をつくるための資金として活用していて、取組の進捗状況をサイトで確認できるようにしています。京都府長岡京市では、学校の図書館に本を贈るプロジェクトを行っています。ふるさと納税をする人は、寄付先の学校や贈る本を指定することが可能です。お礼の手紙や贈った本の感想文も受け取れますので、支援した実感を得やすいでしょう。

自治体は、公式サイトでふるさと納税に対する考え方や寄付金の使い道を公表しています。なかには、ふるさと納税した人が寄付金の使いみちを指定できる自治体もあります。どこにふるさと納税しようか迷っている人は、寄付先を決めるときの参考にするのも良いでしょう。

ふるさと納税のメリット

ふるさと納税をするメリットはいくつもあります。主なものとして、「返礼品が受け取れる」「所得税や住民税が安くなる」といったことが挙げられるでしょう。「好きな自治体を応援できる」ことも、メリットの1つです。返礼品が受け取れる点については、テレビや雑誌などで度々取り上げられていますので、多くの人が知っているのではないでしょうか。返礼品は、地域の特産品である農産物や工芸品などのほか、日用品や装飾品、イベントチケットなど多岐にわたり、寄付金額に応じて自由に選べます。

返礼品をどれにするかすぐに決められないときは、いったんポイントに交換することも可能です。発行したポイントは、有効期限内ならいつでも返礼品に交換できます。ポイントを貯めておいて、季節ごとの農産物と交換したり、高額な返礼品と交換したりするといった楽しみ方もできるでしょう。

所得税や住民税が軽減できるのは、ふるさと納税をしたことによって寄付金控除が受けられるためです。一般的な寄付金控除では、一部が所得税・住民税から控除されます。控除とは、金額が引かれるということです。ふるさと納税を行った場合は,

寄付金額のうち、自己負担分の2000円を引いた残りの金額が、所得税や住民税から全額控除されます。たとえば、ふるさと納税を5万円行ったとしましょう。このとき、自己負担分の2000円を除いた4万8000円が所得税や住民税から控除され、節税になるのです。

税金が減らせるだけでなく、返礼品ももらえますので、かなりお得感がある制度といえるでしょう。

ただし、ふるさと納税を行ったからといって、いくらでも税金を控除できるわけではありません。控除対象となる金額には上限があり、収入や家族構成、控除の状況などによって異なります。

たとえば、控除上限が5万円だったとしましょう。このとき、6万円のふるさと納税を行っても、控除されるのは自己負担分を差し引いた4万8000円分のみとなります。1万2000円は持ち出しとなりますので注意しましょう。

所得税はどのくらい安くなる?

実際にふるさと納税を行った場合、納めるべき所得税がどのくらい安くなるかをみていきましょう。所得税の還付額を計算する式は、

(ふるさと納税の寄付金額 - 2,000円)×(所得税の税率(0~45%)×1.021)です。

これに寄付した金額を当てはめると、控除額が算出できます。なお、所得税率は課税される金額によって異なります。

たとえば、課税される所得が195万円以下であれば税率は5%で、195万円を超えて330万円までであれば10%、330万円を越えて695万円までであれば20%です。このように徐々に上がっていき、4000万円を超えると一律で45%となります。なお、1.021を乗算しているのは、復興税率2.1%が加算されているためです。

仮に、独身もしくは共働き世帯で、年収が400万円あるとしましょう。総務省の「ふるさと納税ポータルサイト」によると、この条件では寄付金額の上限は4万3000円となっています。上限以上にふるさと納税を行っても、還付・控除対象とはなりません。そこで、4万3000円から自己負担分の2000円を引いた金額が、所得税と住民税の還付・控除対象となります。年収400万円では所得税率は5%です。上の計算式に当てはめると、
(43000-2000)×0.05×1.021=2093.05

で、約2100円が所得税から還付されることが分かります。

住民税はどのくらい安くなる?

次に、住民税がどのくらい安くなるかをみていきましょう。住民税の控除では、基本的な寄付金控除のほか、ふるさと納税で適用される特例分があり、合わせて控除されます。そのため、所得税よりも控除額が大きく、一般的な寄付よりもお得です。基本の控除額を算出する式は(ふるさと納税の寄付金額-2,000円)×10%、特例の控除額の算出式は
(ふるさと納税の寄付金額-2,000円)×(90%-所得税率×1.021)

となります。それでは、年収400万円の世帯で考えてみましょう。

基本の控除額は

(43000-2000)×0.1=4100で、特例の控除額は(43000-2000)×(0.9-0.05×1.021)=34806.95

となります。住民税から控除されるのは、この2つを合わせた約3万8900円です。なお、この特例分の計算式は、住民税所得割額の2割を超えない場合に適用されます。

ふるさと納税で税金を安くするには?

ふるさと納税を行っても、そのままでは税金の控除を受けることはできません。寄付金控除を受けるのであれば、ふるさと納税を行った年度に確定申告を行う必要があります。また、一定の条件を満たしている人であれば、確定申告よりもわかりやすい制度である「ふるさと納税ワンストップ特例制度」を利用することも可能です。どちらかを行わなければ、寄付して返礼品を受け取っただけで終わってしまいますので、注意しましょう。

1.確定申告

毎年、年度末の2月中旬から3月中旬までの期間になると、確定申告が行われます。これは、前年の1月1日から12月31日までの間に得られた所得の金額とそれに対する税金を計算し、納税するために行われるものです。人によっては、納め過ぎた税金の還付を受けることもできます。確定申告をする人は、必要書類をそろえて税務署に提出しなければなりません。確定申告をする必要があるのは、1年間に事業所得のあった自営業者やフリーランスなどが中心です。確定申告をせず必要な納税をしなかったときは、本来の税金に加え、加算税や延滞税も払わなければなりません。

会社員の場合は、源泉徴収といって毎月の給与から税金が天引きされています。そのため、基本的に確定申告をする必要はないです。転職などで年度の途中から勤め始め、年間所得に対して税金を納め過ぎてしまったときでも、確定申告を行わなくて構いません。なぜなら、会社が本人に代わって年末調整を行い、納めすぎた分を還付してくれるからです。

1-1.確定申告が必要な人

会社が源泉徴収や年末調整を行ってくれる会社員とは異なり、自営業者やフリーランスなどで事業所得がある人は、自分で所得の申告をして納税をする義務があります。そのため、毎年確定申告を行うことが必要です。マンションやアパートの経営をしているなど不動産収入がある人、配当所得があった人なども確定申告をする必要があります。

一カ所から給与を得ている会社員は、基本的に確定申告をする必要はありません。しかし、年間の給与が2000万円以上であったり、2カ所以上から給与を受けていたり、副収入が年間20万円以上あったりするのであれば、確定申告が必要です。

たとえば、会社員がブログを運営したりフリーマーケットでハンドメイド品を売ったりして、収入から経費を引いた所得が20万円を超えるようであれば、確定申告をしなければいけません。

確定申告では、還付申告をすれば納め過ぎた税金が戻ってきます。たとえば、医療費控除です。これは、1年間に支払った医療費が10万円を超えた場合に受けられる控除です。また、住宅の購入やリフォームをして住宅ローンを組んだ場合も、確定申告をすれば住宅ローン控除が受けられます。住宅ローン控除は初年度から10年間にわたって一定額の控除が受けられますが、会社員であれば確定申告をする必要があるのは最初の1回のみです。2年目以降は、会社の年末調整で行ってもらえます。

ふるさと納税を行った人も、所得税の還付や住民税の控除を受けるためには確定申告が必要です。ただし、ふるさと納税をした自治体が5団体以下であれば、ふるさと納税ワンストップ特例制度を活用できるため、確定申告はしなくても構いません。ワンストップ特例制度に関しては、のちほど詳しく説明します。

1-2.確定申告に必要なもの

ふるさと納税の確定申告を行う場合に必要なものをみていきましょう。

まず、ふるさと納税をした自治体が発行する「寄附金受領証明書」です。

これは、ふるさと納税を申し込むと自治体から送付されてきますので、確定申告をするときまで保管しておきましょう。紛失したときは、自治体に連絡すれば再発行は可能です。

ただし、時期によっては再発行に時間がかかることがあります。確定申告の期限に間に合わない可能性がありますので、なくさないように大切に保管しましょう。

勤め先が発行する源泉徴収票も必要です。会社員なら、毎月の給料から社会保険料や税金が天引きされていることは知っているでしょう。このとき引かれる金額は、一年間でこのくらいの収入になるだろうという予測の元で算出されています。また、生命保険料控除なども考慮されていません。そのため、納めた所得税に過不足が発生していることがあるのです。そこで、会社では毎年12月に年末調整を行い、所得税を納め過ぎたり不足したりしていないかを計算しなおします。そして、必要に応じて還付や追加徴収や行って清算するのです。

源泉徴収票とは、この年末調整の結果をまとめたものです。そのため、発行されるのは年末調整が済んだ12月以降となります。一般的な配布時期は12月ですが、会社によっては1月になることもあるでしょう。

もし、源泉徴収票を受け取ってないのであれば、勤務先の総務や経理の担当者に確認する必要があります。紛失したときも再発行は可能ですので、担当者に確認しましょう。

銀行の口座も必要です。これは、確定申告して所得税が還付されるときの振込先になります。なお、口座は本人名義のものでなければなりません。配偶者や親の口座では還付を受けられませんので、注意しましょう。

また、紙の確定申告書を提出する場合は、書類に押印するための印鑑も必要です。

これは実印である必要はありませんが、ゴム印は認められません。認印を用意しておくと良いでしょう。なお、e-taxのシステムで申告を行う場合は、印鑑は不要です。

本人確認のために、マイナンバーカードも必要です。マイナンバーカードを発行していない人は、マイナンバー通知カードかマイナンバーの記載がある住民票などと、運転免許証やパスポートなどの本人確認ができる書類とが求められます。確定申告用紙を直接税務署に持参する場合は、提出時に職員に必要書類を提示しましょう。税務署に郵送する場合は、確定申告書に必要書類の写しを添付します。e-taxを利用する場合は、本人確認書類の提示や写しの添付は要りません。

1-3.確定申告の方法

確定申告の方法には、手書きで作成して提出する、国税庁のサイトにある「確定申告書等作成コーナー」で作成して提出する、e-taxという電子申告制度を活用するという3パターンがあります。提出は、管轄の税務署に持参するほか、郵送でも可能です。手書きで作成する場合は、まずは確定申告書の用紙を入手しましょう。入手する方法はいくつかありますが、自宅にパソコンとプリンターがあるなら、国税庁のサイトからPDFファイルをダウンロードして印刷するのがもっとも手軽な方法です。

確定申告の用紙は、税務署や市役所のほか、確定申告の相談会場に置いてあります。近ければ取りに行くのでも良いでしょう。ただし、あまり早い時期に行くと、その年度の用紙が用意されていないことがあります。1月下旬以降であれば、用意されているでしょう。ただし、市役所の支所などは用意している部数が少なく、2月半ばごろにはなくなっている可能性がありますので、注意が必要です。また、確定申告の用紙は、税務署から取り寄せることもできます。必要な確定申告書の種類と部数を明記した紙と返信用封筒を同封して最寄りの税務署に郵送すれば、送ってもらえるでしょう。

なお、返信用封筒には必要な額の切手を忘れず貼っておくことが大切です。

用紙に手書きせず、国税庁のサイトにある確定申告書等作成コーナーで作成することもできます。確定申告書等作成コーナーを訪れて「書類を作成する」をクリックすると、「e-taxで提出する」か「印刷して書面提出する」を選ぶ画面がでますので、利用したい提出方法を選びましょう。後は、指示通りに必要項目を入力していけば完了です。

なお、e-taxで申告する場合は、「マイナンバーカード方式」と「ID・パスワード方式」の2つの方法があります。マイナンバーカード方式では、マイナンバーカードのほかにICカードリーダライタ、専用ソフトの準備が必要です。

ID・パスワード方式では、事前に税務署にe-taxの開始届け出書を提出してIDとパスワードを発行してもらう必要があります。どちらも事前の準備が必要ですので、注意しましょう。

1-4.申告期限と税金還付の時期

ふるさと納税をして確定申告を行うと、寄付した年の所得税から還付が受けられ、住民税は控除されます。還付されるのはいつごろなのか、気になる人は多いでしょう。まず、確定申告の期間は、原則として2月16日から3月15日までです。自営業者などで納税義務がある人は、必ずこの期間に確定申告をする必要があります。ただし、ふるさと納税をして還付申告をする場合は別で、寄付をした年の翌年の1月1日から5年間は受付可能です。つまり、3月15日を過ぎていても申告できるのです。

たとえば、2018年にふるさと納税をした場合は、2019年1月1日から2023年12月31日まで申告を受け付けてもらえます。とはいえ、申告するのを忘れると節税のメリットが得られませんので、早めに行うと良いでしょう。

2.ワンストップ特例制度

ふるさと納税は、確定申告を行わなくても、税金の控除が受けられる特例制度があります。それが「ワンストップ特例制度」です。これは2015年4月から始まった会社員向けの制度で、ふるさと納税で確定申告をする手間を省くことができます。ただし、誰でもこの制度を利用できるわけではありません。制度の概要を、具体的にみていきましょう。

2-1.ワンストップ特例制度を利用できる人

ワンストップ特例制度を利用できるのは、確定申告をする必要のない会社員です。これは、1か所からのみ給料の支払いを受けていて、年収が2000万円以下、副収入が20万円以下であり、医療費控除などを受ける予定のない会社員が当てはまります。また、ふるさと納税を行った自治体が5団体以下であることも必須条件です。5団体とは自治体の数を指し、同じ自治体に複数の寄付を行ったとしても1団体とカウントされます。

2-2.ワンストップ特例制度に必要なもの

ワンストップ特例制度を利用する場合に必要なものは、多くありません。

主に、「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」とマイナンバーカードの写しの2つが必要となります。マイナンバーカードを発行していない場合は、マイナンバー通知書の写しか番号の記載がある住民票の写しと、運転免許証やパスポートなどの身分証明書の写しを用意しましょう。もしくは、マイナンバー通知書の写しか番号の記載がある住民票の写しと、健康保険証、年金手帳、提出先自治体が認める公的書類のうちいずれか2点の写しでも構いません。

寄附金税額控除に係る申告特例申請書は、ふるさと納税を行うと寄付先の自治体から送付されてきます。送られてきていない場合は、自治体に連絡すると送ってもらえるでしょう。総務省のサイトからダウンロードすることも可能です。

2-3.ワンストップ特例制度の方法

ワンストップ特例制度を利用する方法は簡単です。寄附金税額控除に係る申告特例申請書に必要事項を記入し、提出書類の写しと一緒に寄付した自治体に郵送で提出するだけで構いません。ただし、書類は、寄付した自治体ごとに提出が必要です。同じ自治体に2回以上の寄付を行ったときも、その都度提出が必要ですので、注意しましょう。

なお、申請を行っても、特例制度を利用できないケースがあります。たとえば、6カ所以上の団体に寄付を行ったときや提出期限に間に合わなかったときなどです。そのほか、1年間のトータルの医療費がかさみ、医療費控除の申告を行うことになったときも、ワンストップ特例制度の申請は無効となります。申請を行っていたとしても、確定申告をするなら、1年間に行ったすべてのふるさと納税の申告もしておきましょう。これを忘れると、寄付金控除を受けることができません。

2-4.申告期限と税金還付の時期

ワンストップ特例制度の申請期限は、原則としてふるさと納税を行った年の翌年1月10日までです。この日までに自治体に書類が到着する必要がありますので、早めの送付を心がけましょう。すでに述べた通り、確定申告をした場合は1~2月後に所得税の還付が受けられ、住民税は6月から翌年5月まで一定額が控除されます。一方、ワンストップ特例制度を利用した場合に受けられるのは、住民税の控除のみです。所得税は年末調整で清算済みとなり、還付はありません。ただし、実質的な控除額は確定申告をした場合と同様です。どちらかの方法で申告をすると損になるといったことはありませんので、利用しやすい方を選ぶと良いでしょう。

ふるさと納税をお得に利用するために注意したい3つのこと

ふるさと納税は、所得税や住民税が軽減され、返礼品も受け取れるお得な制度です。ただし、お得に利用するためにはいくつか注意すべき点があります。場合によっては寄付しただけで終わり、税金を減らす効果が得られないこともありますので、ふるさと納税を検討している人は注意点についてよく知っておきましょう。

1.寄付金の上限額を超えない

ふるさと納税は、寄付した分がすべて税金の控除対象となるわけではありません。上限額が定められており、それを超えた分に関しては控除されず持ち出しとなります。また、控除の上限は一律で決まっているわけではありません。年収の額や家族構成、ほかの控除の状況などによって異なります。そのため、ふるさと納税を行うときは、自分の控除上限額はいくらであるのかを知っておくことが大切です。ふるさと納税のサイトのなかには、必要事項を記入するだけで上限額がいくらになるのかを算出してくれるシミュレーション機能を設けているものがあります。活用すると良いでしょう。

おおまかな目安は、総務省の「ふるさと納税ポータルサイト」の「全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安」で知ることができます。これによると、たとえば、独身か配偶者控除のない共働き家庭で年収300万円のケースでは、上限は2万8000円です。同じ条件で年収500万円のときは、上限が6万1000円となっています。つまり、年収500万円であれば自己負担分の2000円を引いた5万9000円が控除対象となりますが、

年収300万円では2万6000円しか対象となりません。控除上限を超えた金額を寄付しないように、注意が必要です。

2.申告を忘れずに行う

ふるさと納税を行っても、確定申告かワンストップ特例制度の申請をしなければ、税金の控除や還付を受けることはできません。これを忘れていると、寄付をして返礼品を受け取っただけで終わってしまいます。面倒でも、申告は必ず行うようにしましょう。なお、もともと確定申告が不要な人で寄付した自治体が5カ所以下であれば、ワンストップ特例制度を利用できますが、確定申告を行っても構いません。ふるさと納税を複数回行っている場合、毎回ワンストップ特例制度の必要書類を送付するのが面倒なこともあるでしょう。その場合、確定申告を行うと1回で済ますことができます。

なお、先に述べたように、ワンストップ特例制度の申請期限は原則として翌年の1月10日です。これを超えると、ワンストップ特例制度を利用して申告をすることはできません。しかし、確定申告なら、5年以内であればさかのぼって申告をすることが可能です。申告を忘れていたり、面倒でしていなかったりする人は、この機会に申告すると良いでしょう。

3.ふるさと納税で損をするケースもある

まれに誤解されることがありますが、ふるさと納税は寄付金に応じて現金が受け取れるといった制度ではありません。支払った税金や納めるべき税金のうちから、還付や控除が受けられる仕組みです。本来の税金の額以上のお金が戻ってくることはありませんので、注意しましょう。たとえば、収入がなくて税金を払っていない人や収入が低くて非課税の人がふるさと納税をしても、もともと返せる税金がありませんので、純粋に寄付をしただけに終わります。また、控除限度額が少ない人も、税金面でのメリットはほとんどないでしょう。

年度の途中で転職した人や退職した人は、納める税金の額が少ない可能性が高いです。ふるさと納税をしても、納める税金が少ないのであれば、控除や還付のしようがありません。また、収入や家族構成によっては控除の上限額が極端に少なくなる場合があります。この上限を超えた分は控除対象にならず持ち出しとなりますので、注意が必要です。総務省の「ふるさと納税ポータルサイト」などに挙げられている「全額控除されるふるさと納税額(年間上限)の目安」などで、自分の控除上限を確認しておくと良いでしょう。

ふるさと納税関係のサイトにある控除上限額の目安値を算出できるシミュレーターを活用するのも1つの方法です。ただし、シミュレーターで算出できる金額は、あくまで目安です。所得金額に変動があると、控除上限額も大きく変動することがあります。たとえば、扶養に入っていた子どもが就職したり、配偶者と離婚したり、親と同居しはじめたりして、扶養家族の数に変動があったケースです。扶養家族が増えると、控除の上限額も少なくなります。また、医療費控除や寡婦控除を受けることになり、納税額よりも控除される額が多くなるといったこともあります。

返礼品や地元の応援をすることが目的で寄付をするのであれば、税金の控除や還付が受けられなくてもさほど問題はないでしょう。しかし、税金を減らしたい、ふるさと納税をお得に利用したいと考えているのであれば、損をしないように注意が必要です。控除額上限を超えた金額の寄付はしたくないというときは、ふるさと納税も少なめにしておくと良いでしょう。

ふるさと納税の仕組みを理解してお得に利用してみよう

ふるさと納税は、仕組みを理解してうまく活用すれば、税金が安くなるお得な制度です。確定申告が面倒な人には、書類に記入して提出するだけで利用できるワンストップ特例制度もあります。返礼品を受け取るだけでなく、所得税や住民税を減らして税金面でのメリットも享受しましょう。

 

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ふるさと納税を一生懸命勉強!